【一発でクラウド間移行】 Aiven の DB マイグレーション機能を試す
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
今回もマルチクラウド環境の DBaaS である Aiven の機能を紹介します。マルチクラウド環境だからこその機能であるクラウド間マイグレーションが簡単にできることをご紹介します。
クラウド間マイグレーション
マルチクラウドでシステムを組んでフェイルオーバーしたり、あるクラウドに障害が発生した時などに、異なるクラウドへデータベースを移行する場面があるかと思います。しかしクラウドを越えてデータベースのマイグレーションを行うためには事前の準備と入念な切り替えて順の整備が必要になります。
Aiven ではマルチクラウド環境の DBaaS であるという利点を生かして、簡単にクラウド間の DB マイグレーションができます。
AWS と Google Cloud の間で Aiven のサービスを移動することを想定します。話は簡単で、以下の図のように AWS にデプロイした Aiven サービスを Google Cloud へ移行したり、Google Cloud にデプロイした Aiven サービスを他のクラウドプラットフォームへ簡単に移行できます。
やってみる
事前準備
まず事前準備です。AWS と Google Cloud の環境を準備します。
AWS 環境の準備
マイグレーション元となる AWS 上に VPC 構成と Aiven サービスを作成します。具体的な手順は、以下のエントリのやってみる
の1. Aiven の VPC を作成する
〜4. Aiven サービスを作成する
となります。
AWS から Google Cloud へマイグレーション
マイグレーション先となる Google Cloud 上に VPC 構成を作成します。具体的な手順は、以下のエントリのやってみる
の1. Aiven の VPC を作成する
〜3. Google Cloud 側のピアリングを作成する
となります。
Aiven Console でマイグレーションを行う
AWS と Google Cloud の準備ができたのでマイグレーションを試してみます。
Aiven Console のServices
から対象のサービスを選択します。
Overview
タブを選択します。
Cloud and VPC
のMigrate Cloud
をクリックします。
マイグレーション先のクラウドプラットフォームとリージョンを選択します。ここでは Google Cloud に作成した VPC にしています。そしてMigrate
をクリックします。
success update
と表示されます。マイグレーション先を選んでワンクリックするだけです。後はマイグレーションの完了を待ちます。
ステータスがRebalancing
になっているのでRunning
になるまで数分待ちます。
Running
になったのでログインしてみましょう。
Google Cloud の VPC 内にある Compute Engine から psql コマンドでログインします。Aiven サービスのホスト名はクラウドを移動しても同じものを使用します。
$ psql -h pg-28833c2a-xxxxxx.aivencloud.com -p 21374 -U avnadmin -d defaultdb Password for user avnadmin: # Password の内容を入力 psql (9.2.24, server 13.5) WARNING: psql version 9.2, server version 13.0. Some psql features might not work. SSL connection (cipher: ECDHE-RSA-AES256-GCM-SHA384, bits: 256) Type "help" for help. defaultdb=>
サーバーの IP アドレスを確認してみます。プライベート IP でアクセスしています。以前のエントリで、AWS の VPC は10.0.1.0/24
、Google Cloud の VPC は10.1.1.0/24
に設定しています。
defaultdb=> select inet_server_addr(); inet_server_addr ------------------ 10.1.1.5 (1 row)
さいごに
Aiven はマルチクラウド環境のデータベースサービスなので、移動先を選択したらワンクリックでクラウドの移動を行えます。データベースの環境を変更するためには、通常は入念な下準備と手順と時間がかかるものです。データのモビリティを維持する事は重要ですが大変手間がかかるため、移動が簡単なサービスを活用するのはいかがでしょうか?